ガラスは、いつどこで作られはじめたのでしょうか。
はっきりしたことは分かっていませんが、古代文明の発掘品の中にガラスの壺などがが残されています。
その頃のガラスは、現代のガラスとは大きく違い、原料の中の金属酸化物によって着色されたものでした。
ガラスはどうやら貴族階級しか手にできない、非常に高価なものであったようです。
ローマ時代に、ガラスは大きな発展を迎えます。
吹きガラス技法という方法が発明され、ガラスの大量生産が可能になりました。
これは、パイプの一端に溶けたガラスをつけ、もう一端から空気を吹き込むことで、ガラスを膨らます方法です。テレビなどで見たことがあるかもしれませんが、なんとローマ時代から続いているのです。
透明に近いガラスが作られるようになったのも、この頃です。
ガラスの美しさが際立つのが、中世文化です。
ベルサイユ宮殿の鏡の間や、教会のステンドグラスなど、現代にまで語り継がれる文化的遺産が数多く残されています。
11世紀前後から、ガラス技能者の育成が活発になりました。ガラスの貿易は、莫大な富を国にもたらすためです。特に鏡は高度な発展を遂げ、16世紀には現代の鏡とほぼ同じものが作られるようになりました。
鏡が反対側を如実に映し出すため、中世の人々は、鏡には魔力があると考えたようです。
「白雪姫」や「不思議の国のアリス」などのお話には鏡が登場しますが、鏡の脅威性が強調されたストーリーとなっています。